施設警備員とは、警備会社に雇用され、顧客の事務所や工場、商業施設などに常駐等又は巡回により、事故や火災、不法侵入などの防止、早期発見、事故の対応を行う職業です。
警備会社に雇用され、顧客の事務所や工場、商業施設などに常駐等又は巡回により、事故や火災、不法侵入などの、防止、早期発見、事故の対応を行う。 警備業法では、警備業務を1号業務(施設警備、巡回警備、保安警備、空港保安警備、機械警備)、2号業務(交通誘導警備、雑踏警備)、3号業務(貴重品運搬警備、危険物運搬警備)、4号業務(身辺警備)に分けている(*1)。
施設警備は1号業務に属し、主な業務としては防災監視、防火設備の日常巡視、防犯監視、巡回、受付・入退出管理、郵便小包受領検査、鍵の管理、非常事態への対応などがある。
警備会社は民間企業であり、そこに勤務する警備員は法令により、警察官のような公的権限は付与されていない。そのため原則として命令や尋問をしたり、他人の権利や自由を侵害するような行動をとることはできないとされている。認められているのは依頼主から委託を受けた施設管理権と、私人としての現行犯逮捕権のみである。ただし、警備員が身の危険を感じるような状況も想定されるため、警備会社が公安委員会に届出て許可を得た最低限の護身用具(警戒棒、警戒杖、刺股、カラーボール等)を携帯し、正当防衛の範囲内で使用することはできる。
*1 一般社団法人 全国警備業協会 ホームページより
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
護身用具(警戒棒、警戒杖、刺股、カラーボール等)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、警備業法によって、18歳未満の未成年者、破産宣告を受けている人、刑務所から出所して5年未満の者、暴力団員、アルコールや覚醒剤などの中毒者などは就くことができない。
新卒で入職するには、警備会社に入社して、施設警備担当として配属(若しくは他部門に配属後異動)される経路が一般的である。
入職後は、警備業法で定める20時間以上の新任教育を受けたあと、警備員登録を経て、各社が実施している業務別教育、OJT、Off-JT(職場外研修)を経て警備員として勤務することになる。関係法令に関する知識の習得の他、護身用具を使った身の守り方、火災発生に備えた消火器の使用方法、心肺蘇生法を含む応急救護等の実践的な技能に係る訓練も受ける。
なお、現任者については半年ごとに8時間以上の現任教育を受け、勤務に就くことが警備業法で義務づけられている。
警備会社では、ジョブローテーションにより幅広い経験を積ませて、幹部候補生として育てる傾向が強くなっている。しかし、警備業界でも人手不足状態が続いており、中途採用の求人も多い。別業界から転職した未経験者は、新卒入職者と同じく新任教育などの研修を受けた後、現場に配属される。
警備員の仕事に関連する資格には、都道府県公安委員会の「警備員指導教育責任者」、「施設警備業務検定」などの公的資格のほか、全国警備業協会が定める「セキュリティプランナー」などの民間資格がある。現場で経験を積みながら、こうした資格を取得して専門性を高めていくことが、キャリアアップにつながる職業である。
警備員の適性としては、法令等を遵守するコンプライアンス精神と、人の生命や財産を守るという責任感、また、迅速かつ的確な判断力、行動力が求められる。
警備業法第4条に基づく認定業者数は、全国に10,811業者であり、このうち警備員数が100人未満のものが全体の90.2%を占めている。警備員総数は58万7848人、そのうち女性は4万3077人であり、全体の7.3%となっている。
年齢構成をみると、60代が15万3111人で全体の26.0%、70代が12万2919人で20.9%であり、両社で全体を半数近くを占めている。(2024年時点*2)。
給与は警備会社によって異なるが、配置された施設が就業場所となる。勤務時間は担当する施設によって異なり、日勤だけのところもあれば、24時間稼働する工場などでは「日勤」「夜勤」「昼夜勤」の三交代制をとっているところもある。
職業としての将来性については、警備を必要とする施設は多く、社会的なセキュリティ意識の高まりもあり、安定的な需要が見込まれる。
ただし、警備の世界でもICTなど先端技術を活用した省力化が進んでおり、ロボットやドローンを使った巡回警備の自動化、更にAIを使った顔認識も実用段階に入っている。今後は、高い専門性を備えた人材のニーズが高まっていくと見込まれる。
*2 警察庁生活安全局生活安全企画課 令和6年における警備業の概況
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。