家具製造とは、木材の切断、加工、組立、塗装、金具の取り付けなどの諸工程の作業を行い、木製家具を製造する職業です。
木材の切断、加工、組立、塗装、金具の取り付けなどの諸工程の作業を行い、木製家具を製造する。
木製家具は、大きく分けて箱物家具類と脚物(あしもの)家具類等に分けられる。箱物類には、たんす、食器棚、書棚などあり、脚物類には椅子、机、応接セット、ダイニングセットなどがある。その他にもベッド、小物など多種多様な製品がある。製造する家具により使用する機械、工具、工作方法などは多少異なっているが、基本的な作業は共通している。主に木工機械作業、組立作業、仕上げ作業、塗装作業、椅子張り作業である。
作業の流れは、まず機械を使って木を切断し、表面を削ったり穴をあけたり磨いたりする木工機械作業を行う。各部品ができたら、接着剤や木ねじで家具の形に組み立てる。その後、小さな部分や念入りな仕上げを要する部分などは、やすりなどを使って手作業で仕上げる。さらに製品の種類によって、接着プレス作業や張り工作作業などが加わる。塗装作業では、着色したり表面に艶(つや)を出す吹き付けをして、家具に化粧をほどこす。椅子張り作業では、できあがった椅子の骨組みに、ばねやクッション材を取りつけた後、革などを張り、椅子の座、背、ひじの部分を形づくって完成させる。
木製家具製造の仕事は、のみ、かんな、のこぎりなどの手工具を使って、最初の木材から完成品までを一品生産する手工業的な職業をイメージすることが多いが、現在は、中規模以上のメーカーでは、機械化・分業化が進んでいる。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
工具(やすり、のみ、かんな、かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)、除じん装置、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。新規学卒者の場合は、学校やハローワークの紹介が多い。中途採用の場合は、職業訓練校の家具・木工課程等の修了者の入職やハローワークの紹介のほか、求人広告等により入職するケースもある。
家具製造の仕事には、主材料である木材の性質や刃物、機械、工具、塗料、接着剤、椅子張り布、工作法、家具の構造などについての知識が必要である。また、必要な技能としては、刃物の研磨と調整、加工段取り、機械工具の操作、傷の補修などがあるが、こうした技術を経験を積むことにより習得する。
関連資格として、厚生労働省が定める技能検定の「家具製作技能士」があり、資格を取得すると技術の証明として評価される。また一定台数以上の木材加工用機械が事業所にある場合は労働安全衛生法に基づき「木材加工用機械作業主任者」の配置が必要である。
指先、手腕の器用さ、形態知覚が優れていることが望ましい。高級家具の分野では高いデザイン力や独創性が求められる。機械ではできない細かな組立作業など人の手によるところがあり、一つ一つの作業に熟練を要求される。
大部分は家具メーカーで生産に従事する。家具製造の事業所数を地域別に見ると、愛知、大阪、東京、埼玉、福岡、静岡の6県で全体の4割を超えている。就業者は中高年齢者が多くなっており、そのうち女性の割合は約25%である(2021年時点*)。雇用形態、賃金、労働時間等の労働条件は、職場により異なり社内規定による。
家具製造の作業は、刃物で木材を切断、切削、研磨する作業が多いため、かつては刃物によるけがの危険があり、また木粉じんや塗料の臭気が問題とされていた。しかし現在では、直接刃物が手に触れないように機械や工具が改善され、安全装置の普及で危険度は大幅に低下している。また、木材の切断・加工など騒音はするが、除じん装置の普及で、木粉じんや塗料かすがほとんど取り除かれるようになり、職場環境は改善されている。
電子制御による工程の自動化等の進展により、機械による大量生産の家具と職人による手仕事の家具の二極化がみられる。
*総務省 2021経済センサスから
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。