ミシン縫製とは、ミシンを使って布地などの素材を縫い合わせ、衣服などの製品を完成させる職業です。
ミシンを使って布地などの素材を縫い合わせ、衣服などの製品を完成させる。
縫製には、アパレル(衣服)製品以外にも、建築工事用シートなどの産業資材や、帽子、寝具、カーテン、マットなどがある。ここではアパレル製品について記述する。
アパレル製品の製造では、まず工業用パターン(型紙)に基づいて布地から多くのパーツ(部品)をカッティング(裁断)し、その後、表地、裏地、芯地、その他縫製に必要な付属品などを揃え、その上で縫製工程に回される。
縫製の仕事は、裁ち目をかがり、えり・そで・ポケットなどそれぞれのパーツを作り、これらのパーツを縫製手順に従って縫い合わせ、ボタン穴かがり、ボタン付け、ほつれを防ぐかん止め、飾り縫い、刺しゅう縫いなどをして、製品に完成させていく。縫製の仕事は一種の組立作業のような性格を持っている。
縫製の終わった製品はプレス機やアイロンできれいに仕上げ、検査を行って出荷の工程へ回す。
縫製工場の生産システムは、数人で班を分けて工程ごとに縫製し、完成させる生産方式が主流である。量産製品を従業員が工程分業して、ライン編成して完成させる方式である。また、縫製を1人で1着を完成させる「丸縫い」(例:サンプル品の試作)、製品品番ごとに一定の数量をまとめて生産する「ロット生産」などがある。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
ミシン、プレス機、アイロン、はさみ
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。
入職後は、実地訓練によって現場で技能を習得していくのが一般的である。縫製作業には多くの作業工程があり、それぞれの難易度が異なるので、その技能習得期間も数ヶ月程度で習得できる工程から数年以上の経験を必要とする工程まで様々である。全工程を習得するには、服種によって多少の差があるが、3~5年の経験が必要とされている。通常は直線縫い、ダーツ縫いなど比較的簡単な工程のミシン操作を担当することから始め、経験を積み重ねるに従いだんだん難しい工程を担当する。全工程を習得し熟練工になると、チームの指導、監督を担当するようになる。
関連資格として、厚生労働省が定める技能検定の「紳士服製造技能士」、「婦人子供服製造技能士」、「布はく縫製技能士」があり、資格を取得すると技能の証明として評価される。
縫製の仕事に興味があり、手先が器用で、ファッション感覚や形態知覚などに優れていることが求められる。また、チームワークでの作業が中心となるため、協調性も必要である。
勤務先は、服飾メーカー、繊維製品メーカーの縫製工場等である。就業者は女性が多く、中高年齢者が中心である(2019年時点1*)。主婦等のパートタイマーもいる。労働条件等については勤務先の規定による。
職場環境は、ミシンを中心に裁断機、アイロン、プレス機などの設備等を用いた屋内での作業が中心である。
従来のアパレル産業は労働集約的であったが、最近ではコンピュータによる自動検反システム、自動裁断システム、自動袖付けミシン、自動ボタン付けミシン、自動縫製システムなどの開発、導入により、ミシン縫製の作業の内容・質も大きく変化してきている。
スマートファクトリー、IoT化が進み、熟練者のサンプル縫製をデータ化して生産する動きもある。
(1*) 取材結果から
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。