水族館飼育員とは、水族館において魚類や海獣類などを中心とする水生生物を飼育し、餌を与えたり水槽の掃除などを行う職業です。
水族館において魚類や海獣類などを中心とする水生生物を飼育し、餌を与えたり水槽の掃除などを行う。
水族館飼育員の一日は、開館前に展示動物がいる水槽や予備水槽を巡回し、病気の兆候を示す魚や産卵行動の有無などを確認するなど、水槽の生物の観察から始まる。新人の飼育員にとっては、この時間は先輩職員のアドバイスを受けられる貴重な機会でもあり、それがすむと裏の飼育スペース(キーパースペース)などへ移動し、その日の作業に移る。
水生生物の多くは水中にわずかに溶けている酸素をえらで呼吸し、水中に糞も尿もするため、水質管理が水生生物の飼育で最も重要な要素となる。水質管理は、水を浄化するろ過槽や水温を調節する熱交換機、更に殺菌や色成分の分解のためのオゾン装置などで構成された循環システムによって行われている。それらの設備装置が適切に作動しているかを点検、確認して、飼育水槽を常に清潔にし、生物の量、組み合わせともバランスよく保つようにしなければならない。
また、水族館では食性の異なる生物を多種展示しているため、飼育員は、種別の食性に合わせた餌を調理準備し、給餌に際しては各個体に行き渡るようにすることに多くの時間を費やしている。水質悪化を招くので、残り餌のないようにする注意が必要である。
この他、飼育スペースの清掃、水槽清掃、展示替えも日常的な業務で、水生生物を採集したり繁殖させたり、種の査定をしたり、展示の工夫、プランクトンの培養、イルカやアシカのショーをするといった仕事をする場合もある。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
ろ過槽、熱交換機、オゾン装置、飼育水槽、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、仕事には水生生物の知識などが必要とされ、求人は水産生物学、水質学、養殖学、魚病学などのカリキュラムがある大学の水産学部や水産高校に出されることが多い。水族館の飼育員は、水族館が新設・開館する時に一度に採用される。そのほか欠員補充などで募集がある。毎年水族館の新規開設があるわけではなく、採用試験には多くの応募があり、競争率は高い。
公立の水族館が新規採用する場合は、自治体の人事委員会が行う一般採用試験による場合と水族館を所管する部局の独自の試験による場合とがある。一般採用試験では、その自治体の定数に見合った数を職種別に採用するため、希望の職場に配置されるとは限らない。新設の私立水族館の場合も試験による採用が一般的である。潜水士や学芸員などの資格があると有利な場合もある。
飼育員の業務は生物飼育が中心であるが、施設の目的がレクリエーションや環境学習等であるため、飼育員の勤務形態は各施設の利用者サービスの状況に合わせることになる。生物が病気になるなどの不規則性に加えて、時期によっては観覧時間の延長など観覧者サービスの拡充による不規則勤務が加わるため、交替制をとるところが多い。また、季節により利用者数が変動する。土日祝日、ゴールデンウイークを中心とした4、5月、夏休みの8月などに休みがとりにくくなる。夜間見回りのため、宿直勤務をする水族館もある。女性の水族館飼育員は増加傾向にある。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。