型枠大工とは、鉄筋コンクリートの鋳型の役割を果たす型枠を作り、工事現場で組み立てる職業です。
ビル建設には「鉄筋コンクリート工法」又は「鉄骨コンクリート工法」が用いられる。このうち鉄筋コンクリート工法は杭の上に鉄筋を組み、これを型枠で囲って柱などの形を作り、その中にコンクリートを流し込み固める工法だが、この型枠を作り組み立てるのが型枠大工の仕事である。
ビル建設にとどまらず、土木工事でも新幹線、橋、トンネル、地下鉄などコンクリートを使う工事は全て鋳型となる型枠が必要である。
仕事の種類・規模は様々であるが、鉄筋コンクリートの建物を例にとると、まず、合板(コンパネ)を主材の型枠板として施工図に合わせて各部のパネルを作成し、締付金物で固定する。
鉄筋工が組み立てた柱となる鉄筋の周囲をパネルで囲み、壁の内側を先に立て、柱上に梁(はり)を架け、スラブ(床)を連結し、梁と床を固定する。次に壁の外側を立て、内外壁を金具で締めつけ、最後に水平垂直をチェックし、型枠検査を受けて型枠が完成する。
コンクリートを流し込む際は、型枠が壊れないよう監視を行い、流し込んだコンクリートが固まったら、型枠を取りはずす。この作業は、大規模な工事の場合は解体工事を専門に行う型枠解体工が行うこともあるが、小さな工事の場合には型枠大工が行う。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
杭、鉄筋、型枠板、締付金物、工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。見習として就業し、技能を習得して一人前になる例が多い。企業が新規学卒者を募集して認定訓練校で教育を受けさせ、将来の幹部要員として養成するケースもある。
入職当初は熟練工の指導で測量、墨出し、加工、組立てなどの見習を行う。一定の実務経験を積むことで、厚生労働省が定める技能検定の「型枠施工技能士」の受験資格を得られる。作業責任者になるには、労働安全衛生法の規定により、「型枠支保工の組立て等作業主任者」の資格が必要になる。
ミリ単位の寸法が記入された施工図を読み取って型枠を組み立てるため、図面から立体をイメージできる空間判断力と工作能力が求められる。高所作業や力仕事もあるため、機敏さと体力も必要となる。
働く場所は、建設工事の場合はビルの建設が多い都市部が中心となり、土木工事の場合は道路や橋などの工事現場で働くため全国に広がっている。
賃金は日給月給制が多いが、熟練工になると出来高払になる。大企業は月給制の場合もあるが、この場合も能率給を支給していることが多い。また、工期が天候の影響を受けやすいため時間外労働もある。
建設業界では、労働時間短縮のため、日曜・祝日はもちろんのこと土曜日も月2回程度は休むようになってきている。ただし、屋外工事が多いため、雨天などで作業が遅れた後は日程に追われ、残業や休日・夜間に働くこともある。仕事の内容により高所作業もあるが、下ごしらえなどの地上の仕事もある。
若年者の参入が少ないため、型枠大工の平均年齢は年々上がっており、就業者は、中高年齢層が中心になってきている。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。