潜水士とは、潜水具を着用して水中に潜り、海底や川底の調査や測量、護岸や防波堤の建設工事、船底の状況の調査や破損修理、沈没船の解体や引揚げなどの水中作業をする職業です。
潜水具を身につけ水中で各種作業を行う。潜水士は、水中で就業が可能な唯一の職業である。
建設関係では、港湾や漁港の防波堤や岸壁、物揚場などの構造物の基礎を築造するため海底に石を投入して均す(ならす)作業、鋼構造物の水中溶接作業、コンクリートブロックの据付け作業等がある。
船舶関係ではサルベージ、船底の清掃、点検補修作業。漁業関係では魚貝類の採取、魚礁の設置などがある。その他にも、災害、事故などの際のレスキュー隊活動やマスコミ関係の水中撮影、各方面が行う調査・観察、水族館での魚の餌付け作業、レジャーダイビングのインストラクターなど活動は多岐にわたる。
潜水方式にはヘルメット式、スクーバ式、フーカー式の3方式がある。ヘルメット式とフーカー式はエアホースを介して潜水士に圧縮空気を送るが、スクーバ式は潜水士が背負う高圧のエアボンベから圧縮空気が供給される。どの潜水方式を選ぶかは、作業目的や作業時間、水温、潜水深度、海流といった作業条件の総合判断による。どの潜水方式であっても、潜っている人間同士だけでなく、船上や陸上の潜水支援員や監視員との密接なチームワークが不可欠である。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
エアホース、エアボンベ、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
潜水士になるには、潜水士免許試験に合格しなければならない。試験は安全衛生技術試験協会で実施され、試験科目は、潜水業務、送気・潜降及び浮上、高気圧障害、関係法令の4科目である。受験資格には、学歴・性別など制限はないが、満18歳未満の人には潜水士の免許は与えられない。試験は学科だけで実技はない。
スクーバ式潜水については民間のダイビングスクールなどで指導を受けるのも一つの方法である。その他各潜水方式とも、所属する会社で先輩から指導を受け、潜水技術を習得することが一般的である。水産・海洋系の大学・高校などで潜水に関する講義や実習を行っているところもある。
潜水士の業務は陸上で行う作業をそのまま、潜水具を身に付けて水中で行うことが多く、潜水して行う作業についての資格や技能(溶接・溶断、発破、写真等)の習得も必要である。
なお、潜水士の資格取得者のうち職業潜水士は約4,400人となっている(2024年時点*)。
*一般社団法人日本潜水協会、会報「潜水」第89号
職業潜水士は、海洋・港湾・漁港などの建設、サルベージ、漁業、警察、海上保安庁、消防署、放送・出版等の会社や官庁に所属するか、自営業として依頼される仕事を遂行している。雇用者として従事している人が多いが、雇用形態は業種や会社・官庁によって異なる。
会社に所属している場合、賃金は会社の賃金体系に依る。特別手当を支給している会社も多い。休日も会社の規定に従う。自営の場合、支払いは 注文主と潜水士との契約により、単価は作業の種別、環境、地域等により異なる。
潜水士が罹患する可能性のある高気圧障害(減圧症、肺の破裂など)を予防するため、法令により、浮上速度は毎分10m以下と規定されているほか、浮上途中に減圧のために停止する時間や潜水業務(水深10m以上の場合)を行うことのできる一日の潜水時間も定められている。潜水士には潜水時間、潜水深度、作業内容、作業場所、作業開始・終了時刻など一日の業務記録を残すことが定められている。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。