精密機器技術者とは、精密測定機器、光学機器、医療用機器など高い精度が要求される機械の研究開発、設計、及び製造工程の技術開発、管理を行う職業です。
精密測定機器、光学機器、医療用機器など高い精度が要求される機械の研究開発、設計、及び製造工程の技術開発、管理を行う。
製品開発工程の上流にあたる製品の構想から設計を担当する研究開発・設計技術者と、下流にあたる品質を維持しつつ量産するための製造工程等の技術開発を担当する生産技術者がおり、同じ製品を開発から商品化までチームを組んで業務を行う。
研究開発・設計技術者が担当する設計業務には、概念設計・基本設計・詳細設計・生産設計という4つの工程がある。概念設計では、社内の企画担当者や顧客からの要望などを踏まえて製品コンセプトを策定し、製品概要やコスト計算も踏まえた大まかな設計を行う。基本設計では、概念設計に沿って、CADソフトで設計図を描き、解析ツールのCAEを使って強度などを確認する。詳細設計では、プロトタイプを作製して、動作確認、安全性や使い勝手、デザインなど多岐にわたる設計検証レビューを数回にわたって行い、材質加工や組立の工程に至るまで詳細に記述した設計図面を作成する。生産設計では、部品の共通化や削減、組立工数の簡略化を追求して、性能とコストを両立させて、量産が可能な設計に仕上げる。
生産技術者は、製品開発・設計技術者が起こした設計を品質維持しつつ、コストと納期をにらみつつ、効率よく量産するための加工工程や製造工程などの技術開発と工場での生産が始まってからの工程管理などが仕事であり、製品の製造工程すべてに関わる。
以上は、精密機器の開発に概ね共通する業務であるが、精密機器はその種類によって利用形態や法規制などが大きく異なるため、具体的な業務内容も様々である。
医療機器の開発の例でみてみる。医療機器は、開発期間が長期にわたることも少なくないため、開発企業は概念設計の段階で最終段階まで見通したグランドデザインを描く必要があり、POCが重要になる。プロトタイプによる検証段階で実験が必要になる場合もある。法規制関連の手続き等に携わる場合もある。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
CADソフト、CAEソフト、パソコン
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、専門知識が必要な職業なので、新規学卒の場合、高専、大学、大学院卒が多く、電気・電子・機械・光学を専攻している者が多い。中途採用の場合は、同業種間の移動が多い。
入職後は、社内で研修を受けて技術者への道をスタートさせる。キャリアパスとしては、例えば新製品の開発部門に配属された場合は、図面の修正や部品の手直し、技術資料の修正等といった設計補助を経て設計担当者になり、営業、デザイン、製造部門のスタッフと連携し、最新の技術を取り込んで設計を繰り返し、必要な経験を積んでいく。その後チームリーダーやマネジャーになる場合もある。
精密機器技術者は、10万分の1ミリの誤差を判定できる精密計測器の緻密な検査なども実施することから緊張を持続するための集中力、根気が必要である。また、積極的に最新の技術を取り入れていく姿勢が重要である。専門分野の異なるスペシャリストで構成されるチームで業務を行うことが多いので、自分の専門外のことについても的確な意思疎通ができるコミュニケーション能力が求められる。
勤務先は、精密測定機器、光学機器、医療用機器等精密機器メーカーやその関連会社である。
雇用形態は正社員が多く、賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。賃金は月給制で、労働時間はフレックスタイム制、完全週休二日制が採用されている場合が多い。
精密機器は、かつての精密測定器、カメラ等から医療用機器、産業用ロボットなど活用範囲は広がってきており、さらにはIoTが普及する中、設計、開発する技術者に対する社会的ニーズは増える傾向にある。AI(人工知能)の発達により、将来的に仕事内容に変化が生じる可能性がある。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。