起業、創業とは、自分で新しく事業を計画し、資金を調達し、企業として存続させる職業です。
新しく事業を起こすこと、新しく事業を始めること。こうして設立された企業は、スタートアップ企業、ベンチャー企業などと呼ばれ、これらの企業を起こす人を起業家、アントレプレナーなどと言う。業種的には、最先端のデジタル技術やAI、バイオなどを手がける開発型ベンチャーが話題になることが多いが、それらに限定されるわけではなく、サービス、医療・福祉、飲食、小売、建設、金融、不動産など多岐にわたっている。
積極的に新しいことに取り組む活力のある企業を増やすことで経済活性化につなげ、新たな製品やサービスの開発により日本の競争力強化を進めたい政府と、起業を地方活性化や雇用創出の切り札の一つとしたい地方自治体が様々な支援策を講じている。
日本では若者ばかりでなく、結婚や子育てで家庭に入っていた女性や、転職を考える中高年、退職した高齢者などの起業も増えており、人材も業種も裾野が急速に広がってきている。しかし、世界的に見るとベンチャー先進国との差はまだまだ大きい上、起業後数年にして行き詰まることも少なくない。もちろん起業家自身の問題もあるが、これまでの支援策が、創業時の資金支援など一過性のものが多く、企業が成長過程でぶつかる問題に効果的に対応できていなかったケースもある。最近では、起業から企業として独り立ちするまで、一貫性のある統合的な支援を行うベンチャー・エコシステムの創設なども構想され、起業し、事業として成長できる環境が整いつつある。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
パソコン
基本的には学歴、資格は問われない。義務教育を終えて社会経験を積み、起業して成功を収めた人もいれば、子離れした専業主婦が女性の感性を活かして新たなサービスを立ち上げたり、定年退職したシニアが経験と人脈を活かして起業するケースも増えている。公的機関やVC(ベンチャーキャピタル)を利用して資金を確保し、自己資金ゼロで起業した人も少なくない。最先端の開発型ベンチャーの場合は、大学院での研究実績をもとに「大学発ベンチャー」として設立する場合や、投資銀行やVCなど投資側から起業するケースもある。経営のノウハウについては、国や地方自治体、インキュベーター(起業支援者)などの公的・私的な支援により身につけることも可能である。
なによりも求められるのは、何をしたいのかというビジョンをもつこと、そしてそれを事業計画に落とし込み、行政や金融機関、想定取引先などに説得力をもって説明し、納得させる能力であり、順調にいかない局面でも心折れずに目的に向かって邁進する力である。もちろん実際に企業を立ち上げた後は、簿記を基本とし、企業活動とその各種数値を関連付けて理解し、管理できる能力が欠かせない。また開発型ベンチャーであれば、海外の最新の研究成果や規制の変更をチェックするために、英語の知識なども必要になってくるが、それらは必要に応じて習得していくことも可能である。
学生や専業主婦など事業の経験がない人が起業する場合、ベンチャー企業に勤めてノウハウを吸収して独立するケースや、まず小規模なベンチャーを起業して経営ノウハウなどを獲得し、それから本命の起業に移る場合もある。誰かの指示を待つのではなく、自ら、創意工夫で道を切り開いていきたい、という独立心旺盛な人に向いた仕事である。
起業の経緯は業種によってさまざまであるが、創業当初はかなり忙しく、時には休みなく働くケースがある。創業後の繁忙期が過ぎた後は、それぞれのライフスタイル、事業の仕方に応じた働き方が可能で、働くスタイルを自律的に決められるのが特徴である。従業員を雇用する段階になると、会社としては一般の企業と同様の勤務体制に移行していくことになるが、創業者自らだけでなく、社員が各自のイニシアティブで働けるよう、環境作りをすることが多い。
収入面では、会社の事業が軌道に乗るまでは経営の資金繰りに苦慮するケースも少なくなく、想定した収入を得られない人もいるが、そういう場合も、仕事のやりがいや家族と十分な時間が持てること等、起業に満足している人も少なくない。
経営面で見ると、特に研究開発型ベンチャーでは、研究開発段階、製品開発段階、量産開始段階で資金繰りが悪化しやすく、デスバレー(事業破綻の危機)を迎えることがある。ここで必要な公的・私的な支援を得て、タイムリーな資金調達ができるかどうかが分かれ目であり、失敗すれば倒産の危機に陥ることになる。
一方、成功して成長段階に入れば、IPOを果たして創業者利益を得ることもできる。入社してくる社員、特に転職者に対しては世間相場の給料を提示できない場合もあり、その場合、IPOを前提にストックオプションを与えることもある。
成功した事業を高額で売却し、多額の収入を得られたり、それを資金に次の起業・創業を行うこともできる。
また、起業・創業したが順調には事業が成長できず、事業の方針、内容を転換し(ピボット)、それによって、事業に成功することもある。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。