左官とは、こて、ブラシ、吹き付け器を使用して、建物の壁、天井、仕切りに自然素材の塗装をする職業です。
自然素材を使用した塗り壁は吸湿性・放湿性・断熱性・防火性など優れた機能に富み、建築仕上げには欠かせない。この壁等を塗りあげるのが左官の仕事である。
作業は、まず材料を練りまぜ、それを施工場所まで運び、最後に壁面への塗付け施工を行う。塗付け施工では、下地になる土やセメントモルタルなどの素材を塗り、中塗りを行ってムラ直しをしてから、上塗りによって最終的な表面仕上げを施すのが一般的な施工方法である。下地の塗り方に欠陥があると、壁がはがれたり、ひび割れたりしてしまうため、下地を塗るときには十分に注意する。
現在、壁の種類が増え、しっくい壁や防火用土蔵造りに加えて、モルタル、プラスターや合成樹脂系の塗り壁、薄塗り工法などが普及し、素材も工法も多様化している。扱う道具についても、従来から使われているこてだけでなく、はけ、ローラー、吹付機械、ミキサー、モルタルポンプ、ウィンチ、ベルトコンベアーなど多種多様になっている。
素材や工法、扱う道具は多様化しているが、基本的に手作業で仕上げていくため、他の建材では得られない味わいや多彩さがあり、左官のつくる美しい壁が見直されている。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
こて、はけ、ローラー、吹付機械、ミキサー、モルタルポンプ、ウィンチ、ベルトコンベアー、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。左官工務店に入職し、入職後職業訓練校で学び、現場で実地作業をしながら技術を身に付けていくケースもある。
入職後は、見習から左官技能者、現場作業の指揮監督を行う作業主任、作業・管理両面の実質的責任者である職長へと昇進していくのが一般的なコースである。職長などとして建設作業所で指揮をしていくには、左官の技術だけでなく安全面での指導管理ができる資格を持つ必要もある。厚生労働省の定める技能検定の「左官技能士」の資格を取得すると技術力の証明となる。また、技術次第で技能者から建設関係の技術者(2級建築施工管理技士(仕上げ))になったり、独立開業することもできる。
職場は、野丁場と町場に区分するのが一般的であるが、町場の方が割合が高い。
雇用者がほぼ半数を占めているが、この職種の特色として、腕を頼りに工事の一部を請け負って自分で作業をする、いわゆる一人親方も多い。また、家業を継ぐこともある。
給与は日給月給制が多いが、仕事の出来高に応じて給与が決まる出来高払もあり、その場合は技能の高い人は高給となる。日給月給の場合にも、技能程度によって給与に差があり、年功序列というよりは能力に重点が置かれる。
労働時間はおおむね1日8時間で、日曜・祝日は休日となるのが一般的であるが、工期の都合や天候によって、超過勤務や日曜出勤して休日を振替る場合もある。
就労者の平均年齢が高くなってきているので、若年者をどう確保していくかが大きな課題となっており、魅力的な職場にするために福利厚生制度の充実や退職金制度の確立、労働環境の改善などが進められている。
最近では、材料の軽量化が進んだことに加えて、美的センスを活かす職業として左官を目指す女性が出てきている。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。