トラックドライバーとは、トラックなどの貨物自動車を運転して貨物を輸送する職業です。
トラックやトレーラーなどの貨物自動車を運転して貨物を輸送する。
仕事内容は、貨物の種類、トラックの形状、輸送距離などにより違いがある。例えば、小型トラックはコンビニ配送や宅配便など近距離向け、大型トラックは都市間など長距離、大量輸送向けである。その他、タンクローリー、ミキサー車のような特殊なトラック、海外から輸入されたコンテナや特大貨物を輸送するトレーラーなど特別な用途のものがある。トラック輸送には、自社の貨物を輸送する自家用トラック(白地のナンバープレート)と、他社の貨物を有償で輸送する営業用トラック(緑地のナンバープレート)の2種類がある。
国内の貨物総輸送量のうち、トラックの占める割合はトンベースで9割、トンキロベース(トン数に輸送距離を乗じて仕事量を表す単位)で6割を占める。また、伸長が著しいインターネット通販の市場では、翌日配達、細かな時間指定や温度管理等のサービスの高度化が消費者や荷主の支持を得ており、これを支えているのは小型トラック等による宅配便の輸送である。
運送会社で働くドライバーは、乗務前にトラック、トレーラーなどの車両点検を行う。運行管理者による点呼場面において、血圧などの健康面の確認や、検知器によるアルコールチェックを受ける。また、運行に関する連絡事項や記録は、ドライバー各自が携行するタブレットやスマートフォンなどが使用されることが多い。
そして、実際に車両に乗り込み、安全に運転する。運行記録に関しては、デジタルタコグラフ(デジタコ)、ドライブレコーダー、GPSによることが一般的である。デジタコは走行速度・時間・距離等がデジタルで記録され、会社側として運行状況を把握できることから、適正な労務管理にも有効である。ドライバーにとっても、安全運転の意識向上、省エネ運転、日報作成の事務負担の軽減といった利点がある。
指定の時間に依頼主の出荷場所へ行き、伝票内容と荷物の内容物や数量が合っているか確認して車両に積み込む。目的地まで運び、指定された場所で荷下ろしをして、着荷主から受領の確認を受ける。荷下ろしを終えると、帰社し、運行の状況や健康状態を報告する。
業界全体として働き方改革の取組みが進んでいる。労働基準法や改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)の改正により、令和6年4月から時間外労働の上限規制が適用されるとともに、拘束時間等の基準が改められたことにより、長時間労働の改善が図られている。また、荷待ち時間や手荷役(てにやく:人の手で荷積み、荷下ろしをする。)、荷役作業時間の削減に取り組む荷主が増えるなど、荷主側の意識や行動にも変化がみられ、ドライバーの労働時間や日々の業務負担の軽減につながっている。
また、業界横断的に、中継輸送、フェリーや高速道路の積極利用による長距離輸送時のドライバーの負担軽減の取組みが進んでいる。業界全体として、運転しやすいAT車の導入など、女性や若年者の就業を意識した取組みもなされている。作業の現場では、荷役作業がしやすい荷姿(大きさが統一規格化されたパレット、ロールボックスパレット(かご台車)の使用)などの工夫がなされている。
<就業希望者へのメッセージ>
働き方改革、待遇改善のほか、安全対策、環境対策、DX対策、適正取引対策などを進め、若年者や女性が就職しやすい、さらに就職後も長く働ける職場環境を目指しています。(業界団体)
トラック輸送は我が国の経済活動と国民生活を支えるライフライン。そのライフラインを支えるトラックドライバーはエッセンシャルワーカーとして毎日、全国各地で活躍しています。(業界団体)
◇よく使う道具、機材、情報技術等
トラック(小型、中型、大型)、トレーラー、デジタルタコグラフ(デジタコ)、ドライブレコーダー、業務連絡用タブレット、アルコール検知器、血圧計、点検ハンマー
入職にあたって、特に学歴は問われないが、第一種運転免許を取得する必要がある。普通免許のほか、車両重量・積載量に応じて、準中型、中型あるいは大型自動車運転免許が必要になる。若年運転者の就業を促すため、一定時間の特例教習を修了することで19歳から大型免許を取得できるようになっている。
トレーラーなどを運転するにはけん引免許、危険物を輸送する場合は危険物取扱者の資格、高圧ガスを輸送する場合は高圧ガス移動監視者の資格を取得する必要がある。また、荷物の積み卸しが多い業務では、フォークリフト運転の資格を取得すると仕事の幅が広がる。
経験者による即戦力として、中途採用で入職するケースが多い。ハローワークや求人広告、同業ドライバー同士の紹介などを通じて入職することが一般的である。近年は、労働条件や待遇面の改善により女性や若年者の入職が増えてきている。入職後の約1〜3カ月は試用期間であり、実地で訓練を受ける。初任運転者に対しては国土交通省告示(指導監督指針)により、実際にトラックに同乗しての指導と、積荷の搭載方法や日常点検の方法、トラックの構造の特性などの座学の研修が義務付けられている。職場の各管理者、作業指揮者などから実務知識、作業技術などを学んだ後、運転業務に従事する。
最近の動きとして、人材確保の観点から、免許取得を積極的に支援する企業が増えている。採用時に免許を持っていなくても、入社後に準中型、中型、大型免許を取得することで活躍できる。
運転業務の経験を積んだ後、運行管理者(国家資格)の資格を取得してドライバーを管理する配車担当となる場合や、その後、管理者から所長等管理職となることもある。
長距離の運転や深夜時間帯の運転の場合もあり、健康管理が大切となる。現在は、ドライバーの過重な労働時間や拘束時間の改善、労働負担の軽減が着実に進んでおり、安全意識の高さや法令遵守の姿勢がドライバーの資質として求められるようになっている。
給料はほとんどの会社が月給制となっている。基本給以外の運行手当等の歩合給、時間外手当などの変動給の占める割合が比較的大きいが、業界全体の動きとして、長時間労働に頼らなくてもよい待遇改善・環境整備に向けて取組みが続けられている。週休2日制を導入している企業が多いが、輸送の形態によっては深夜運行の場合もある。
トラック運送事業を含む自動車輸送業界で働く人は50歳代が31.3%、60歳代以上が19.7%で、高齢化が進んでいる。また、女性ドライバーの割合は徐々に増えており4.7%となっている(*)。
女性が働きやすいよう、子育てと両立しやすい運行計画の設定、女性用休憩室やトイレの設置、また、土日の週休2日制を好む若年者に合わせて運行計画を設定したり、前述のように免許取得の支援等、社内の環境整備に積極的な企業が増えている。その他、業界団体としても、高校への出前授業や、インターンシップ等により若年者にトラック輸送の役割や重要性の理解促進に積極的に取り組んでいる。
物流業界が抱えるドライバー不足という深刻な課題に対して、官民を挙げて、労働時間等の労働条件の改善・向上、物流の適正化・効率化、トラック輸送の生産性向上に取り組んでいる。物流の現場では、例えば、荷待ち、荷役作業時間が減るような取引環境の適正化(運送契約の適正化、作業員の体制整備など)が図られ、ドライバーの過重な労働時間や拘束時間の改善、労働負担の軽減が着実に進んでいる。
トラック輸送は国内貨物輸送の主力であり、物流面で社会を支えるその役割の重要性は今後も変わることがないと考えられる。
(*)公益社団法人全日本トラック協会【日本のトラック輸送産業 現状と課題2025】 1トラック輸送産業の概況 「少子・高齢化の進展と若年労働力不足」から
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。