エレベーター据付とは、エレベーターの機器類を組み合わせ、所定の位置に据付け、安全に運転できるようにする職業です。
エレベーターを構成する機器類は工場で製作されて工事現場に搬入されるが、これらの機器類を組み合わせ、所定の位置に据付け、安全に運転できるようにする。
建物の高層化が進んだ現代では、エレベーターは建物内の「縦の交通機関」として不可欠なものとなっている。エレベーターを用途で区分すると乗用エレベーターが大部分で、他に荷物用、自動車用などがあり、駆動方式で区分すると主にロープ式駆動と油圧式駆動がある。
据付作業は通常ビルなどの構造物ができあがってから始まる。作業には揚重、芯出し、乗場出入口装置の据付け、ガイドレールの取付け、機械室内の機器類の取付け、かご及びつり合い重りの組立てなどがある。機器の取付けと並行して、電気の配線、通線、結線を行う。最後に調整、試運転を行い、所轄の行政官庁の竣工検査を受けて完了する。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、建築、機械、電気に関して関心と知識があること、体力や手先の器用さなどが求められる。
一般的には、エレベーターメーカー、又は建築設備の保守・管理を行っている会社に入社し、基礎教育を受ける。その後、据付部門に配属され、見習として据付現場に送り出される。据付現場では、現場の監督者や据付技術に熟練した社員から、実際の作業を通じて実務訓練が行われる。
「ガス溶接技能者」、「玉掛技能者」、「足場の組立て等作業主任者」などの資格を取得していると将来的に有利となる。
エレベーターの所有者又は管理者は、1年に1回以上、「昇降機検査資格者」(あるいは「一級・二級建築士」)による定期検査を受け、その結果を所轄の行政官庁に報告することが義務付けられている。このため、学歴に応じて2年~11年所定期間(最終学歴によって異なる)の実務経験を積んだ後、国土交通大臣の指定する講習を受講し、「昇降機検査資格者」の資格を取得しておくと仕事の幅が広がる。
据付工期は一般的には1~2カ月くらいである。大規模なビルで何十台というエレベーターが据付けられる現場でも1年程度で完了し、次の現場に移動することになる。
大部分の企業は、1日の実働時間8時間で、週休2日制を進めているが、ビルの建築工程によっては、残業、休日出勤をして作業することもある。建築に関連した業務であり、上期(4月~9月)は比較的余裕があるが、下期(10月~翌3月)、特に期末に作業が集中する傾向がある。
賃金は各社の社内基準により支給されるが、経験、技能により差がある。
作業場は、ほとんどエレベーター機械室内及び昇降路内に限定されているが、建設中の現場であり、安全の確保や他の設備作業との協調なども重要である。
エレベーターの需要は建築物の大型化・超高層化に伴って増加してきたが、最近では個人住宅に設置するケースもある。
また、世界中に高層ビルが存在し、その内部には高速エレベーターが設置されているが、その多くは日本のメーカーの製品が導入されており、速度だけでなく、安全で快適な環境を提供している。
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