送電線工事とは、架空送電線の架設、敷設、接続の作業を行う職業です。
発電所で発電された電気は特別高圧送電線(7,000ボルト以上)を通して送り届けられる。特別高圧送電線には架空送電線と地中送電線があり、架空送電線の架線工事に従事するのが仕事である。
主には特別高圧架空送電線の新設や改修に伴う電線架線作業であるが、既設の送電線の点検や保守作業にも従事する。
電線架線作業では、鉄塔に登って電線を鉄塔と鉄塔の間に架設する。鉄塔の高さは10メートルくらいから更に高いものまである。地上では、電線を架線する前に配電線や道路に電線が接触しないように防護足場を構築し、電線を延線するための延線用エンジンと電線ドラムの配置、電線を接続するための電線接続器の準備、碍子(がいし)金具の組立てや取付け、金車やワイヤーロープの配置など、高所作業のための準備作業を行う。
架線作業は通常5~10人くらいの班編成で担当する。班長の指揮にしたがって、まず地上での準備作業から始まり、次に鉄塔上への資材・工具の吊り上げ、金車・延線用ワイヤーロープの配置などを行う。鉄塔上では、電線の延線・緊線、碍子や付属品などの取り付けをする。ペンチ、モンキースパナなどの工具を常に携帯し、作業は安全帽、安全靴の他、高所作業時は安全帯などの安全装備品を身につけて行う。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
延線用エンジン、電線ドラム、電線接続器、碍子(がいし)金具、金車、ワイヤーロープ、工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、送電線架線工事を専門に行う企業に就職するのが一般的である。採用経路は学校とハローワークが比較的多い。入社後の数年間は実際の作業を通じての実務訓練が行われる。大規模な会社では社内に技能訓練設備があり、各種の技能訓練が行われている。一人前の作業者として認められるように、技能水準を示す基準として社内で作業班長の資格認定制度が設けられているケースもある。
一般的には6~7年の経験を積み作業班長になると5~10人くらいの部下を任せられるようになる。作業班長は、計画された作業工程にしたがって資材、機材を準備し、作業員の配置を決定し、作業内容や安全対策について現場代理人(工事の総括責任者)や工事関係者と十分に確認し、作業を円滑かつ安全に推進する責任者である。鉄塔上の高所作業が主体となるため、体力とともに身体の平衡感覚や手先が器用なことが求められる。
送電線架線工事は電力会社が発注し、通常、元請会社が受注して工種別(鉄塔工事、架線工事)に協力会社が作業を行う態勢になっている。元請会社に所属する人もいるが、協力会社に所属して協力会社単位で作業をするのが一般的である。職場は郊外、山村、重工業地区の送電線建設現場であり、全国に広がっている。
通常、一つの工事が完了すると次の工事現場に移動するため作業場所は固定していない。作業期間も工事の規模により異なる。大型工事で作業が長期にわたるときは工事現場近くに設営された宿舎に寝泊まりし、そこから工事現場に出勤する場合も多い。
労働時間は実働8時間が標準である。作業工程の都合により休日出勤することもある。作業は屋外が主になるため降雨などにより臨時休日となる場合があり、天候に左右されやすい。賃金については年間の仕事量やその時の経済情勢により若干の変動がある。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。