フードデリバリー(料理配達員)とは、客の注文を受けた料理や飲料などを店舗から客先へ配達する職業です。
客の注文を受けた料理や飲料などを店舗から客先へ配達する。
飲食店の料理の宅配は従来から「出前」としてそれぞれの店により行われてきたが、近年、宅配専門店や配達代行サービスの拡大により、さまざまな形態で行われるようになっている。ここでは主に、宅配専門店の配達員、フードデリバリーサービス会社に雇用される配達員、フードデリバリーサービス会社と個人で契約して配達を請負う配達員の仕事について述べる。
宅配ピザ、宅配寿司などの宅配専門店や飲食店の宅配専門部門の配達員は、各店舗の配達専門スタッフとして雇用され、注文された料理を店舗の調理スタッフから受け取り、客先へ届ける。店舗によっては、配達だけでなく、電話等による注文の受付や店内の清掃、洗いもの、空き時間にチラシのポスティングなどを行うこともある。
フードデリバリーサービス会社に雇用される配達員(直接雇用型)の場合、会社が設けた配達拠点に出勤して待機し、客からオーダーがあった飲食店に出向いて注文の商品を受け取り、客先に届ける。空き時間にチラシのポスティングなどを行うこともある。
フードデリバリーサービス会社から配達を請負う配達員(個人事業主型)の場合、出勤場所や勤務時間の制約はなく、スマホアプリなどでオーダーを把握し、注文を受けた飲食店に出向いて商品を受け取り、客先に届ける。フードデリバリーサービス会社に対しては、配達依頼を受けた時点、配達する商品をピックアップした時点、客先へ届けた時点の各タイミングでスマホ等から報告し、配達完了報告の承認により1件の仕事が終了する。最近拡大している「置き配」では、玄関先に届けた写真を送付して配達報告とすることが多い。
いずれのタイプの配達員も、ほとんどの場合、配達にはバイクや自転車を使用する。個人事業主の場合、注文が多い時間帯にいかに効率よく正確に配達できるかということが収入に直結する。配達中のトラブルや事故等に備えて、アプリ等で注文者と連絡が取れたり、サポートセンターに相談したりできる仕組みなども設けられている。
ネット注文ではカード決済が利用されることが多いが、配達時に現金やQRコードによる会計処理、クーポン券(割引券)等の受け取りなどを行うこともある。
◇よく使う道具、機材、情報提供等 スマートフォン、スマホアプリ、自転車、原動機付自転車、自動二輪車、保温・保冷容器
この仕事に就くにあたって必要な学歴や資格等はないが、ほとんどの場合、配達を効率的に行うためバイクや自転車を使用するので、原動機付自転車免許や普通自動二輪車免許等を有していると仕事を進めやすい。
直接雇用型の場合、店舗や配達拠点ごとのアルバイト採用がほとんどであり、入職当初は一定期間先輩スタッフに同行して道や手順をおぼえるなど、店舗や配達拠点でOJTが行われることが多い。個人事業主型の場合も、フードデリバリーサービス会社への登録時に面接や説明がおこなわれることがあり、就業後の相談や支援の制度を設けている会社もある。
アルバイト勤務の場合、所属店舗や拠点ごとの採用となっていることが多いため、広域的な異動や他職種への転換等はほとんどない。
料理の宅配は、注文を受けてから一定の目安時間内に届けることや、約束の時間に合わせて正確に届けることが求められる。このため、迅速かつ安全に配達を行う運転技術や、地図やアプリを読み取って要領よく配達先に到達できることが必要である。また、天候や季節にかかわらず屋外に出て仕事をすることになるので、一定の体力、耐久力も必要となる。基本的に一人で行う仕事であり、配達中に生じるトラブルなどに臨機応変に対応できることも求められる。
宅配事業を行う飲食店は全国に分布しており、フードデリバリーサービス会社のサービス対象地域も急速に拡大しているので、配達員の就業場所は都市部を中心に全国にわたる。
副業として就業する中高年層もおり、学生アルバイトから年配者まで就業者の年齢層は幅広い。
飲食店やフードデリバリーサービス会社に直接雇用される場合は、シフト制のアルバイトや配達が集中する時間帯(昼食時、夕食時など)のパートタイムで勤務する人が多い。フードデリバリーサービス会社との契約で仕事を受ける場合は、個人事業主として自分の都合がつく曜日や時間帯に働くことになる。
直接雇用の場合、店舗内のアルバイトと比べて時給はやや高めに設定されていることが多い。また、バイクや自転車、配達に必要な用具等については、宅配専門店の場合、会社の機材を使うことが多いが、フードデリバリーサービス会社の場合は基本的に自前で用意することが多い。車両の貸与制度が設けられていたり、自前車両を使う場合や悪天候の場合のインセンティブ制度などが設けられていることもある。
個人事業主として働く場合、就業時間や場所の自由度は高いが、収入の安定性や事故の際の補償などの問題がある。報酬は1件につき基本料金及び配達距離や時間帯などでの加算から会社のサービス手数料を差し引いた額として設定されていることが多いが、就業する時間帯や地域によっては稼働が少なく、思うような収入が得られないこともある。また、配達中の事故に対する補償や賠償責任などに課題が残されており、行政や業界団体において、労災保険の適用など制度の整備に向けた検討が進められている。
日本のフードデリバリーサービスは、インターネットによる注文サイトの成長、海外大手の参入、さらに新型コロナウイルスによる宅配需要の急増もあって、市場規模の拡大が続いている。このため、今後も配達員の就業の場が全国的に広がっていくとみられる。一方で、参入企業が増えたことにより、地域によっては競争がより厳しくなる可能性もある。
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