医薬情報担当者(MR)とは、製薬会社に勤務し、自社の医薬品を中心に、医療従事者に対し、医薬品の効果、使い方などの情報を提供するとともに、医療現場からの情報収集等を行う職業です。
製薬会社に勤務し、自社の医薬品(医師の処方箋により使用する医療用医薬品)を中心に、医薬品が安全かつ効果的に使われるように、医師、薬剤師、看護師など医療従事者に対し、医薬品の効果、使い方、副作用などの情報を提供するとともに、医療現場からの情報収集等を行う。MR(Medical Representatives)とも呼ばれる。
仕事は大きく分けて3つある。
第1は情報の提供で、病院や個人医院、薬局などを訪問し、医師や薬剤師に面接して、自社の医薬品の特長や品質、有効性、副作用、使用上の注意といった、適正使用のための情報をパンフレットなどを使って説明する。医療機関からの薬に関する問い合わせにも対応する。
第2は情報の収集で、医師や薬剤師から製品の有効性、安全性、品質などの医薬品情報を集める。また、医薬品に対する医療関係者の要望やアイデアを集めて、自社に報告することにより、新薬の開発などにつなげる。
第3は情報の伝達で、収集した医薬品の有効性や安全性情報について分析、評価した結果を医療従事者に対して迅速かつ正確に伝達する。
また、医学・薬学情報を提供するための講演会を開催したり、開業医と勤務医との連携など、医療関係者相互の情報のネットワークを支援することもある。
こうした情報活動を通じて、自社の医薬品の適正な使用と普及を図る。ただし、直接、医薬品の販売は行わない。医師、薬剤師、看護師などとともに医療の一端を担う職業ともいえる。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、就業者のほとんどが大卒者で、入職経路は学校の紹介や一般の公募による。
製薬会社等へ入社後に、業界が定めた共通カリキュラムによる「導入教育」を受け、自社製品情報のみならず医学・薬学の知識、疾病の知識、関連法規等を学ぶ。その上で、公益財団法人MR認定センターが実施する認定試験を受けることとなる。なお、「導入教育」を修了すれば、MR認定資格の合否にかかわらず医療情報担当者として就業することはできるが、MR認定資格を有していない医療情報担当者はほとんどいない。
MR認定資格取得後も、毎年継続教育を受ける。
医薬品を取扱い、医療従事者に適切に使用してもらう必要があることから、医学・薬学的知識はもちろん倫理観、科学的・論理的な説明能力、医師等と信頼関係を構築し、関係者とのネットワークを維持・拡大できるミュニケーション能力が求められる。また、常に新しい医薬品情報等を主体的に収集する等自己研鑽を継続できることが必要である。
ほとんどの医薬情報担当者は製薬会社に勤務し、医療機関は全国にあるため、一定の地域を担当してその中の医療機関を訪問する、あるいは大学病院を担当するなど、担当制をとることが多い。車を利用した直行直帰スタイルが基本であるため、常に自律的に医薬品情報の収集をし、自分自身でしっかりとした活動計画を組む必要がある。また直接販売をしないため、他の営業職とは異なり、医薬情報担当者の活動が医薬品の売上と直結しない。
完全週休二日制をとっているところが多いが、医療機関で働く医師や薬剤師と面談の予約をとるために、早朝や夜間の勤務が必要になることもある。
定年延長や嘱託などでの再雇用を含め経験豊富な医薬情報担当者を活用している企業もあり、定年後も人脈を生かして活躍することが可能である。また、製薬会社等と契約し営業やマーケティングを受託する企業、派遣会社に属する医薬情報担当者も存在する。
医薬品は医療上不可欠であり、適切な使用のために情報の提供・収集・伝達は重要となっている。したがって、医薬情報担当者の量的、質的充実は社会的な要請でもある。
一般的に専門性の高い職種であり、給与面は充実している。
最近では、医薬品の情報をインターネットから医師が直接、確認し、導入等の検討ができるようになっていること等もあり、今後は医薬情報担当者の仕事が変化していく可能性はある。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。