ビール製造とは、ビール醸造所(ブルワリー)において、ビールの製造に従事する職業です。
ビール醸造所(ブルワリー)において、ビールの製造に従事する。
日本のビール業界は、長い間大手メーカーによる寡占状態が続いてきたが、1994年の酒税法改正による規制緩和で日本各地の小規模醸造所で“地ビール”や“クラフトビール”と呼ばれるビールが造られている。ビール製造の仕事内容は醸造所の規模によって異なるが、基本工程は同じである。
ビール造りでは、タンクや配管の洗浄・消毒を丁寧に行うことが大切である。ビールの場合アルコール度が低く、ビール酵母もどちらかといえば弱い発酵力しかないので、洗浄・消毒がおいしいビール造りの基本となる。
仕込みは、粉砕した麦芽を湯に浸して麦汁を造ることから始まる。麦汁に苦みをつけるホップを投入して約一時間煮込み、最後に香り用のホップを投入する。煮込みの終了した麦汁は、熱交換器を通して急冷しながら発酵タンクに移し、ここに酵母を投入すれば仕込みが完了する。
これから数十日間をかけて発酵・熟成させ、出来上がったビールをろ過した後、製品タンクに移し、アルミ缶やびんに詰めて出荷する。
大きなビール工場では、作業マニュアル等により、全く同じ品質のビールが造られるが、小さな醸造所では多くの作業が手作業であり、個人の経験や技能が製品の質に反映される余地が大きい。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
麦汁醸造機、発酵タンク、濾過機、製品タンク
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。学校を卒業後、ビール醸造所などに就職する。食品衛生の知識や醸造の知識があることが望ましい。入職経路は、新卒の場合は学校からの紹介、中途採用の場合は、ハローワークと求人広告がほとんどである。
ビール造りは、最初は作業を習いながら手伝いから始め、様々な工程を経験する。地ビールやクラフトビールの製造では、ビール醸造の経験を積み重ねるうちに自分でコントロールできる部分が広がり、味を意図的に調整したり、新しいレシピを作ったりすることもできるようになる。熟練すると、単に与えられたレシピに従って作業をするのではなく、経営者や顧客と一緒に、新たなビール造りにも挑戦できる。このような過程を通じ、製造だけでなくマーケティングやセールスに精通することも必要である。
個性的で様々な味のビールを作り出している、小規模な醸造所は全国に383場ある(2024年12月時点*)。このような醸造所では、タンクの洗浄は夏暑く、冬寒い自然条件の中で行われる。仕込みの原材料や製品の運搬は重労働であるが、醸造所の規模によってはそれらの移動を機械で行う場合もある。発酵・熟成期間は作業が少ない反面、仕込みやびん詰めでは朝から夜までの作業となる。また、夏や観光シーズンなどには需要が大幅に高まるため、繁忙期となることが多い。
ヨーロッパでは2千年近くに渡りビールの文化が育まれてきたが、日本では大手メーカー以外では、小規模でのビール造りが認められた歴史も浅く、地ビールやクラフトビールを造る小規模醸造所も、ようやく近年、地場産業の一つとして力をつけつつあると言える。
*国税庁 酒類製造業及び酒類卸売業の概況(令和6年アンケート)
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。