薬剤師とは、薬学の専門家として、病院や薬局などで薬の調合や服薬指導、管理などを行う職業です。
薬学の専門家として、病院や薬局などで薬の調合や服薬指導、管理などを行う。
最も代表的な仕事は「調剤」であり、医師が出した処方を確認して正確に薬を調合する。また、処方された薬の副作用や、併用薬との相互作用などについて、患者の体質やアレルギー歴などと照らし合わせ、問題なく服用できるかを確認する。
個々の患者に合わせて、薬の効果や服用方法をわかりやすく説明する「服薬指導」も重要である。
病院では、医薬品の在庫管理・記録を行うほか、病院と密接に連携し、患者の体調変化を評価して薬の量の変更を医師に提案したり、薬剤師外来で副作用管理のための服薬指導なども行う。
病院や薬局以外では、製薬会社の社員として新しい薬の開発や実験を担当したり、薬の製造工程を管理したり、医療機関に自社製品の学術情報などを提供するMR(医薬情報担当者)とよばれる仕事に従事したり、国や都道府県の職員として、薬事関係の許認可や監視指導、食品や飲料水の検査・分析業務などを行う人もいる。
薬剤師法では薬剤師の任務は、「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する」とされている。
なお、近年では「かかりつけ薬剤師」が普及しており、個人の薬の重複や飲み合わせ、処方内容の確認や薬に関する相談業務など患者の安全性や薬剤の有効性の向上につながる取組を行っている。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
パソコン、レジ(小売店、レストラン等)
薬剤師国家試験に合格すると、申請により厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、厚生労働大臣から薬剤師免許が与えられる。受験資格は原則として6年制学部・学科の薬学課程を卒業した人に限られるので、これらの大学に進学することが必要である。学生は、病院及び薬局の現場でそれぞれ11週間ずつ実務実習が義務づけられている。
医薬の分野は、新製品の開発や技術進歩のスピードが速いので、常に薬に関する最新の情報を収集し、身につけることが重要である。また、病院や薬局などでは、患者や消費者に円滑に応対しながら薬の使用について的確な判断を行い、必要な情報を提供する能力が求められる。
職場としては、薬局や医療機関、製薬企業、国や都道府県などの行政機関、大学などがある。全国の届出薬剤師数は32万3690人であり、このうち女性は19万9507人(全体の61.6%)を占める。
主に従事している施設をみると、薬局が全体の58.9%、医療施設19.3%、医薬品関連企業11.5%、衛生行政機関または保健衛生施設2.1%、大学1.5%等となっている(2022年時点*)。このうち、薬局と医療施設の従事者の年次推移を比較すると、近年、薬局は大幅に増加しており、医療施設においても増加傾向がみられる。
就業時間は異なるが、薬剤師の多くが勤務する薬局では各店舗の営業時間に準じて勤務する。調剤薬局の場合では、近隣の病院の繁閑状況に応じて繁忙度合が異なるが、比較的通院者の多い午前中が忙しくなるケースが多い。一方で、医療機関では、入院患者への点滴等の対応等休日でも必要に迫られるため、病院によっては夜勤や休日出勤をすることもある。
薬局は従来からの調剤薬局に加え、チェーン展開しているドラックストアもある。ドラックストアでは調剤業務、市販薬の販売のみならず店舗で扱っている多様な生活雑貨等の販売を担う場合もある。
また、近年は高齢者人口の増加に伴い在宅訪問などの需要も高まっている。
*厚生労働省、令和4年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。