歯科医師とは、虫歯や歯のまわりの病気を治療するとともに予防指導にあたる職業です。
虫歯や歯のまわりの病気を治療するとともに予防指導にあたる。
具体的に虫歯を治療するためには、高速で回転するエアタービンを使って歯の悪い部分を削り、レジン(プラスチック)、金属をつめるなどの処置を施す。抜歯鉗子(かんし)や歯科用へーベルを使って歯を抜き、義歯やインプラントを入れる場合もある。
診療を行う時には、器具の消毒や安全に配慮し、血液を介して感染する疾患にも十分気をつける必要がある。
歯を残すための予防治療も重要で、歯科健診を受けに来た患者へ虫歯のチェックや、ブラッシング指導、歯石除去、歯科相談などを行う。また、高齢化に伴う歯科への通院が難しい患者の増加に対応するため、訪問歯科治療を行ったり、市町村などと連携し介護施設等へ巡回訪問して口腔ケアを行うこともある。
また、がん等の患者の術後の治療に際して、術後の口腔内の衛生状態ケアや改善が患者の手術創の早期治癒など回復の向上に役立っていることから、チーム医療における医科歯科連携が推奨されている。
大学病院では、専門分野に分かれて教育、研究、治療に取り組んでいる。たとえば、歯科口腔外科では口腔がんや外傷などの手術や治療を行い、大きな傷や病気の場合は、外科など他の分野の医師とチームを組んで治療を行うこともある。その他、学校歯科医、保健所で公衆衛生活動に取り組む歯科医師、歯の矯正を専門に行う歯科医師もいる。
歯科医師法では、「歯科医師は、歯科医療及び保健指導をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする」と規定している。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
エアタービン、抜歯鉗子(かんし)、歯科用へーベル、医療機器(聴診器、注射器、CT、MRI等)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ等)
大学で6年間歯学について学んだ後、歯科医師国家試験に合格し、1年以上の臨床経験を積む必要がある。
その後、病院や歯科医院で勤務医として働きながら経験を積み、開業する場合もある。
患者とコミュニケーションが十分とれる人柄であること、冷静さ、注意力、判断力をもっていること、手先が器用であることなどが求められる。
ほとんどの歯科医師が病院や歯科診療所(医院)で働いている。
自分で開業している人が最も多く、これに次ぐのが診療所に勤務している人である。その他、歯科医学の教育・研究に携わっている人や保健衛生・衛生行政の分野で働いている人もいる。
全国の届出歯科医師数は10万5267人であり、このうち女性は2万7413人(全体の26.0%)である(2022年時点*)。
開業している歯科医師の場合、1日に8時間くらい診療を行う。口腔外科等がある大きな病院で働く場合には当直があり、救急の患者には夜間でも診療する。開業歯科医師の場合は、地域で救急治療を当番制で受け持ち、夜間や休日に診療する場合もある。
最近は都市部で歯科医師の供給が過剰となり、新規開業の見通しが困難なことから大学歯学部の入学定員を減らす動きがある。一方、高齢化の進展に伴い、介護施設、個人宅への訪問歯科診療等のニーズが高まっているなど、歯科医師に期待される役割は拡がってきている。
*厚生労働省、令和4年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。