ディスパッチャー(航空機運航管理者)とは、目的地までの航空機運航に関わる情報を分析し、飛行計画を作成するほか、運行状況を地上で把握して運行のサポートをする職業です。
航空機の運航管理を行う。
運航管理業務は大別して2種類ある。
一つは、目的地までの航空機運航にかかわる情報を分析し、最も安全で効率のよい飛行コースや高度などを決定して、飛行計画の作成を行う業務である。
飛行ルート上の気流や雲の状況や目的地の飛行場の風向きや風速など気象に関する情報、飛行場や航路付近の運航を支援する各種施設の情報、自衛隊の訓練に関する情報、乗客や貨物の重量、等々、運航に関するあらゆる情報を収集し分析を行う。
毎日運航されている定期便であっても、天気は常に変化し、乗客の数も便ごとに変化する。そこで、飛行中の天候を予測して飛行コースや高度を決め、乗客や貨物の総重量を計算し、燃料をどれくらい積載すればよいかを考え、端末を使用して飛行計画(フライトプラン)を作成する。
これを機長に説明し(ブリーフィング)、機長の同意を得ると飛行計画は正式に承認され、国土交通省航空交通管制センターに提出される。
もう一つは、航空機が離陸してから着陸するまで、運航状況を地上側でモニターし、適宜機長を支援する飛行監視業務である。
航空機は通常飛行計画にしたがって飛行するが、天候の急変や飛行中の旅客の急病、航空機の故障、ハイジャックなど不測の事態が発生した場合、ルートの変更や代替空港を手配するなど、適切な緊急時対応が求められる。現在では、リアルタイムの運航・整備関連情報をデータ通信によって飛行中の航空機に送れるようになっている。また、GPSや衛星通信による航空管制を含む航空航法システムも実用化されている。なお、コンピュータ化により飛行前の情報収集が容易になり、業務の中心は飛行中のパイロットへの支援に移行しつつある。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
航空航法システム、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、パソコン
航空会社に採用された後、適性があると判断された人が社内研修や正規のディスパッチャーの補助要員として経験を積み、正規のディスパッチャーになるのが一般的である。また、航空会社によっては運航管理関連業務を専門に行うグループ会社を設けているところがあり、そうした会社でも募集が行われている。航空会社等への入職にあたって、資格は必要とされないが、学歴は大卒以上が一般的である。
訓練を受けた後に、国土交通省所管の国家試験である運航管理者技能検定を受け、合格後更に経験を積み、社内審査に合格して正式なディスパッチャーとなる。
国家試験を受けるには、航空無線通信士の資格を取得していること、21歳以上で、運行管理者の補助業務など2年以上の実務経験があることが必要である。
ディスパッチャーは旅客・貨物を輸送する航空会社に必ず配置するように義務付けられているため、全国の空港にある航空会社の支店に勤務している。日本に乗り入れている外国の航空会社の空港支店や日本の航空会社が乗り入れている海外の空港支店に勤務する場合もある。
交替制の勤務形態が一般的で、夜勤がある会社もある。また、海外の空港に勤務する場合や国際線を担当する場合には、航空機の発着に合わせた不規則な勤務をする場合もある。
運航管理者資格は希少であり、航空機の運航便数や寄航地も増加の傾向にあるので、一定の労働需要が見込まれている。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。