小児科医とは、乳幼児や小児の傷病について、診断や治療を行うとともに、予防的生活指導をする職業です。
生まれてから大人に至るまでの小児期の病気を診断し、治療を行う。
病気の子どもの痛みや辛さを最小限にするための治療を行うとともに、発達を見守り、発達に応じた養育のコツを保護者に指導・啓発する。単なる医療知識・技術による診療だけではなく、その子どもや家族の背景に沿った、健全な養育方法を一緒に考え、行動することが必要である。ハンディキャップのある子どもとその保護者の支援、予防接種や集団健診など地域の中(病院や診療所の外)での活動も行う。重篤な先天性疾患や急病などの場合は、最新医療技術を駆使しての集中治療なども行う。
小児科医には、地域の保健福祉事業との関わりの中、子どものみならず、子どもを取り巻く家族・家庭、地域の人々に対する支援、子ども達を見守る役割が求められている。臓器別の高度医療に限らず、年齢とともに大きく変わる身体やこころの発達に合わせて、幅広い医療の提供が求められる。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
医療機器(聴診器、注射器、CT、MRI等)、パソコン
小児科医として仕事をするには、医師国家試験に合格して医師免許を取得することが必須である。まず、大学医学部で6年間にわたって専門的な知識を身につけ、同時に実習も行う。大学の卒業試験に合格すると国家試験を受験することができる。国家試験に合格すると、医師免許が与えられる。更に大学病院などの臨床研修病院で研修医として最低2年間の臨床研修を積み、実際の患者を診察しながら知識を身につける。この研修終了後に小児科に所属して小児科医になる。所定の要件を満たせば専門医に認定される制度がある。
臨床研修後には、病院などに勤務医として勤め、多くの経験を積んでいく。勤務先の病院で診療科長になるケースや、独立して開業医となるケースがある。大学で研究を続けながら講師や教授になることもある。
子どもの生命を守るという責任感に加え、子どもが好きであること、十分な意思表示ができない子どもの患者の苦しみを推し測り、子どもの疾病に不安を感じている保護者の気持ちにも寄り添い共感できることが必要である。
医療機関等の勤務医と小児科クリニックを開業する開業医がいる。小児科医の数は17,781人である。診療科の構成割合を性別にみると、女性医師では内科(14.7%)に次いで、小児科が多い(8.4%)。女性医師の割合は40%近くとなっている(2022年時点*1)。開業小児科医は勤務医より年齢層が高い。
労働条件は開業と勤務では異なる。勤務医は勤務先の医療機関により業務の範囲や勤務時間などの条件が様々である。例えば、当直業務に関して、小児科の当直だけを担当する病院から病院全体の当直を行う病院まであり、また、受け持った患者の病状により長時間にわたる勤務や夜間や休日診療などの対応が必要となる場合もある。一般的に病院の勤務医は週休2日が原則であるが当直業務が月に数回あることが多い。開業医は週休1.5日が多いが、勤務医に比べて時間外労働は少ない。
少子化が急速に進行する中、社会全体で子どもを大切に育てる必要性への認識が高まっている。小児医療の無償化など子育て支援策の充実も図られており、その中核を担う存在として、小児科医への期待と需要は今後も大きい。
*1令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況から診療科別にみた医師数
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。