産業廃棄物収集運搬作業員とは、建設現場、病院、工場などから出る産業廃棄物を集め、収集車で処分場まで運ぶ職業です。
産業活動から生じる廃棄物は様々であるが、建設現場、病院、工場などから出る産業廃棄物を集め、処分場まで運ぶのが産業廃棄物収集運搬作業員である。収集作業と収集車の運転をどちらも行う場合が多い。
産業廃棄物は排出する企業が収集・運搬、中間処分、最終処分までの処理を産業廃棄物処理業者に委託し、それらを産業廃棄物管理票(マニフェスト)という書類で管理する必要がある。なお、産業廃棄物以外の廃棄物は一般廃棄物と呼ばれる。
収集運搬作業員は、産業廃棄物の種類や形状に合わせた車両を運転して、廃棄物の収集現場に出向き、廃棄物の収集や容器(コンテナ)の交換作業等を行う。固形状の廃棄物は、木、紙、金属など素材別に仕分けしながら、手作業や重機で車両に積み込む。油や酸、アルカリなどの液状や泥状の廃棄物は、吸引装置の付いた専用の車両で収集する。毒劇物や引火性のあるものが含まれていることもあるので、取り扱いには十分注意が必要である。
産業廃棄物は、主に建設系、医療系、工場系に区別することができる。建設系は、木くずや金属くず、がれき類などが中心で、主にトラックを使用する。医療系は、注射針などの医療器具やガーゼ類などがあり、バンや保冷車が使われる。工場系は、金属くずやプラスチックくず、汚泥や酸、アルカリなどがあるため、トラックの他、ふた付きダンプや吸引装置付き車両も使う。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
トラック、バン、保冷車、移動式クレーン、フォークリフト、パワーショベル、吸引装置、コンテナ、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、車両等を運転するため、普通自動車免許が必要とされることが多い。準中型、中型あるいは大型の運転免許や移動式クレーン、フォークリフトやパワーショベルなどの重機の免許を持っていると、入職の際に有利だが、入職後取得することも可能である。また、公害防止管理者など環境関連の資格、危険物取扱者など、扱う廃棄物の種類に関連した資格があると仕事の上で役立つ。廃棄物の処理施設を維持管理する職員を監督する「廃棄物処理施設技術管理者」として関係団体の講習を受講し「(各廃棄物処理施設)技術管理士」の認定を得ると、より専門的な仕事内容に取り組むことができる。
いろいろな職業を経験した後、転職してくる人も多い。
入職後、日常の仕事内容や関連する法律等について教育を受け、その後、実務を通して仕事を覚えていく。
環境保全やリサイクルを通した資源・環境保護などへの問題認識と安全手順など規程順守の精神のある人が望ましいといえる。また、産業廃棄物を積み込むため、車両と保管場所の間を行き来することもあり、一定の体力も必要である。
産業廃棄物処理業者は、廃棄物の発生場所から処分施設まで運ぶ収集運搬業者と焼却・破砕・埋立などを行う処分業者(中間処理業・最終処理業)とに分かれるが、収集運搬作業員は、主に収集運搬業者に雇用されている。産業廃棄物処理業者は全国に約9900事業所あり、従業者数は12万人を超える。比較的規模の小さな会社が多い(2021年時点*1)建設業者や運送業者等が産業廃棄物収集運搬業の許可(産業廃棄物収集運搬業許可、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可、特別管理産業廃棄物処分業許可)(*2)を取得して事業を行う場合もある。就業者の多くは男性である。
賃金、労働時間等労働条件は勤務先により異なり、社内規定による。年末や年度末など、取引先の企業の状況によって仕事が集中する時期もある。
運搬・収集の仕事は、有害物質を含んだ産業廃棄物の運搬や、非常に重いものや大きいものを運搬する必要もあるため、有害物質の知識がある程度必要であり、待遇面ではこれらの点が配慮されていることが多い。
なお、産業廃棄物処理業は社会経済システムに不可欠なインフラであり、産業廃棄物のリサイクルを行う環境ビジネスは注目されている。
*1 総務省 2021経済センサスから 産業(小分類),経営組織(5区分)別全事業所数 *2 東京都環境局 ホームページから
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。