手話通訳者とは、手話などを用いて、聴覚障害者と聞こえる人とのコミュニケーションを可能にし、生活上の困難がある聴覚障害者をサポートする職業です。
聴覚障害者のコミュニケーション手段である手話などを用いて、聴覚障害者と聞こえる人とのコミュニケーションを可能にし、生活上の困難がある聴覚障害者をサポートする。
聴覚障害者と健聴者(耳が聞こえる人)との間で、聴覚障害者に対しては健聴者の話し言葉を手話や筆談、身振り、口話など、あらゆる手段を通して伝え、また逆に健聴者に対しては、聴覚障害者の手話を読み取り、話し言葉に置き換えていく仕事をする。
聴覚障害者のコミュニケーション手段は、聞こえなくなった年齢や成育歴、受けた教育などにより多様である。そのため、聴覚障害者の言語力などを見極め、その人に伝えられる手話を駆使し、コミュニケーション全般を調整することが必要である。
手話通訳は、就業、子育て、教育、近隣とのつきあいなど、聴覚障害者の日常の生活にかかわるあらゆる場面で必要とされる。とりわけ、生命にかかわる医療の場や権利を守る裁判の場では、専門的な用語をよく理解して通訳する必要がある。
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。都道府県で実施されている手話奉仕員養成、手話通訳者養成の講習会を受講したり、地域の手話サークルで学び、聴覚障害者と交流を図るなど、手話通訳の経験を積んで、仕事に就く人が多い。手話通訳者の養成機関としての役割を果たしている福祉系の大学、短大、専門学校もある。
資格試験には「手話通訳技能認定試験」があり、(社会福祉法人)聴力障害者情報文化センターが実施している。その合格者は、同法人に登録することで「手話通訳士」と称することが可能となる。
また、全国手話研修センターが実施する「手話通訳者全国統一試験」に合格し、都道府県独自の「手話通訳者認定試験」に合格することで、都道府県公認の「認定手話通訳者」になることができる。
政見放送の手話通訳など、一部の業務は「手話通訳士」でなければすることができない。仕事としての手話通訳で一人前になるまでには、最低でも4~5年の経験が必要である。
言葉によるコミュニケーションへの興味があり、人の伝えたいことを積極的に分かろうとし、表現力の豊かな人に向いている仕事である。
手話通訳者の職場には、地方自治体都道府県庁や市町村役場、聴覚障害者情報提供施設、手話通訳派遣センター、障害者福祉センター、社会福祉協議会、聴覚障害者団体などがある。ハローワークで聴覚障害者の就労相談の通訳を行う手話協力員や、病院に採用されて仕事をしている人もいる。
(一般社団法人)全国手話通訳問題研究会の実態調査をみると、女性が86.1%である。また、雇用形態は地方自治体や団体、ハローワーク等で非正規職員として雇用されている場合が多く、正規職員は全体として18.1%となっている(2024年10月時点*1)。
また、他に職業を持ちながら手話通訳の派遣センターなどに登録して活動をする登録手話通訳者もいる。その場合、自治体や派遣センター等から要請に応じて派遣される。なお、社会福祉法人聴力障害者情報文化センターのホームページによると、手話通訳士として4,260人が登録されている(2025年5月時点*2)。
公的機関などで手話通訳事業を行うところもあり、聴覚障害者情報提供施設も全国的に整備されている。
*1 2024年度雇用された手話通訳者の動態調査 *2 社会福祉法人聴力障害者情報文化センター 手話通訳士名簿
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。