ディーラーとは、証券会社や銀行などで自社資金を使い、株式、債券、為替などの売買を行う職業です。
証券会社や銀行などで自社資金を使い、株式、債券、為替などの売買を行う。これをディーリングといい、その業務を担当するのがディーラーである。
扱う商品は、株式や為替などだけに留まらず、先物為替、金利スワップや通貨スワップ、オプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)にまで広がっている。いずれの場合にも共通するのは、資産(株式、債券、外貨など)を安く買い高く売る、あるいは、低いコストで調達して、高い運用益を上げるということである。
類似の職業として、証券会社ではトレーダーがあるが、これは自己資金を使わず、顧客など他者からの売買の注文を受けて、取引仲介をするブローカーに注文を出す。またファンドマネージャーは、ディーラーが短期的な売買をするのに対して、投資信託や年金基金など長期資金の運用を行っており、資産運用会社や生命保険会社などに所属している。
銀行では、自社の利益を出すために取引するのがプロップディーラー、顧客の注文を受けて取引するのはカスタマーディーラーと呼ばれている。
ディーラーの仕事内容を為替の例でみると、為替のディーリングは為替相場の動きをとらえて収益を上げる業務である。例えば、この先ドルが高くなると予測すれば、為替市場で円を売ってドルを買う。その後、ドル相場が上昇した時にこのドルを売れば利益が出るが、ディーラーの予測が外れて逆にドルが下落してしまえば、損失を出すことになる。
同様に株式の例でみると、この先日本株が高くなると予測すれば、日本株を買って日本株の保有割合を増やし、これを日本株の相場が上昇した時に売れば利益が出るが、予測が外れて日本株の相場が下落すれば損失を出すことになる。
相場は政治・経済全般の動きによって変動するので、ディーラーは常に世界のニュースに注意を払い、それを分析して相場の先行きを予測しなければならない。瞬時に、何億、何十億円の資金を動かす責任の大きい仕事である。
ディーラーの業績は、個人の資質や経験によるところが多かったが、最近では、アルゴリズム取引が拡大し、経験に頼る部分が少なく、相場の変化の速度が上がってきている。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
パソコン
入職にあたって、特に資格は必要とされないが、大卒以上がほとんどである。銀行や証券会社などディーリングを行っている会社に入社し、様々な仕事を経験した上で、適性に応じてディーリングの部門に配属されるのが一般的である。
大手金融機関は新卒採用をして自社で育てるケースが多く、外資系金融機関や中小金融機関では中途採用も多い。中途採用ではディーラーとしての実績が評価される。
新卒採用されると、新卒研修を受けて営業などの部門を経験した後ディーラー職に就く。成績をあげると運用資金の枠が大きくなり、それにつれてチーフディーラー、マネージャー等へ昇進していく。昇進にともなって、定期的な研修がある。部門間の異動もある。
関連資格として、証券会社に入社した場合は、証券外務員の資格を取得するのが原則である。
相場は政治や経済の動きによって変動するため、常に世界のニュースに注意を払う必要がある。金利、為替相場や経済全般の知識だけでなく、国際政治についての幅広い知識や経験が求められる。海外の情報をダイレクトに取得する必要もあり、英語の必要性は増大している。
勤務先は、証券会社や銀行など、金融機関のディーリング部門がほとんどで、東京に集中している。
大手金融機関では、ほぼ全員が正社員で、労働条件は社内規定に従う。中小の証券会社の場合は歩合制の契約もある。外資系金融機関の場合は、成果を上げれば年齢や経験にかかわらず高給を得るケースも多い。女性の比率も増えている。
例えば為替ディーリングの場合、東京市場では、現在、24時間取引が行われており、世界各国の市場で絶え間なく動いている為替や金利の動きに常に注意を払う必要があることから、ディーラーの勤務時間は不規則になる。また、ディーリングを行っている間は相当な緊張を強いられるため、体力的にも精神的にも厳しい面がある。
高速取引の広がりやAI(人工知能)の活用により、ディーラーの働き方が今後、大きく変わる可能性がある。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。